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【ひだまり図書室 Vol.2】『ひとまねこざる』

カテゴリ:ひだまり図書室
こんにちは。 
社会福祉法人正富福祉会のブログ担当です。

三寒四温の日々が続いていますが、施設ではご利用者様お一人おひとりの笑い声が春を連れてきてくれています。

さて、好評をいただいている「ひだまり図書室」、第2回をお届けします。

前回の『ちびくろ・さんぼ』に続き、今回も昭和の子どもたちの本棚には必ずと言っていいほど並んでいた有名な絵本をご紹介します。
いたずらっ子の目が輝く、あの黄色い表紙
書誌情報
書 名: ひとまねこざる
文・絵: H.A.レイ
  訳: 光吉 夏弥
出版社: 岩波書店
初版年: 1954年

前回の『ちびくろ・さんぼ』と同じく、翻訳を手がけたのは光吉夏弥氏。岩波書店の児童書を通じて、数々の海外絵本を日本の子どもたちに届けてくれた名訳者です。

そして、表紙を飾るのはご存じ、こざるのジョージ。茶色い小さな体に、丸い目をきょろきょろさせて、いかにも何かやらかしそうな表情をしています。

H.A.レイの描くやわらかな線と、明るく温かい色づかいは、ページを開く前から読み手の心をほぐしてくれます。
好奇心は止まらない!おさるのジョージの大冒険
物語の始まりは、動物園からの脱走です。知りたがりやのジョージは、外の世界が気になってたまりません。バスの背中に飛び乗って街へ繰り出すと、そこから先はもう大騒ぎ!

レストランの台所に飛び込んでスパゲッティを体中に巻きつけたかと思えば、お皿洗いの罰を受け、今度は高いビルの窓ふき掃除を頼まれるジョージ。

ところがジョージは、窓の向こうでペンキを塗っている職人さんを見つけてしまう。「あれは窓ふきより、ずっとおもしろそう!」。たちまち部屋中をジャングルの絵で埋め尽くしてしまいます。

次から次へとやらかすジョージですが、不思議と読んでいて腹が立たないのは、そこに悪意がまったくないからでしょう。

ただ純粋に「知りたい」「やってみたい」という気持ちだけで動いている。その姿はまるで、目の前の世界すべてが新鮮だった幼い日の自分を見ているかのよう。
「ひとまね」の中に宿る子どもの本質
ジョージの冒険は最後、思いがけない形で実を結びます。騒動の末にたどり着いた映画の撮影所で、ジョージはなんと映画スターになるのです。

いたずらばかりしていた子が、最後にはみんなに喜ばれる存在になる。このまっすぐな物語の運びに、読み終えた子どもたちは安心したのではないでしょうか。

「失敗してもいいんだ」「好奇心を持つことは素敵なことなんだ」と言葉にはしなくても、体のどこかでそう感じ取っていたはずです。

タイトルにある「ひとまね」という言葉も印象的です。子どもは誰しも、大人のすることを真似しながら世界を学んでいきます。ジョージの「ひとまね」は、子ども時代そのものの象徴なのかもしれませんね。

今回はここまで。次回のひだまり図書室も、どうぞお楽しみに。
(2026.2.25執筆)
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